昨日は値上げに至った経緯を説明させていただきました。

今日はトリマーという仕事、トリミング業界の現状を赤裸々にお伝えしたいなと思います。

僕は21歳からトリマーとして働き始め、早いもので10年以上が経過しました。

その約10年の間で飼い主様からよく言われていた言葉。

トリミング料金は高い。
自分の髪のカットよりも高い。

この２つのフレーズはよく耳にしていました(⌒-⌒; )

果たしてトリミング料金は本当に高いのでしょうか？？

 

時間換算してもらえると分かりやすいかと思いますm(_ _)m

当店でもカット犬種では来店頭数の割合が高いトイプードル、マルチーズ、マルプーなどのミックス犬。

LiGARでは約7000円くらいのトリミング料金になりますが、次回予約割引などを設けているため、平均して6500円前後だった気がします。

プードルちゃんなどのカット犬種を飼われている方はもちろん知っていることですが、お預かりをして、爪切り、耳掃除をして、肛門腺を絞って、シャンプーしてカットして、お写真を撮って飼い主様の元へお返しができるのが、だいたい２時間半から３時間です。

そこに毛玉なんかがあったらさらに３０分くらいかかってきます。

 

と、考えると、トリミング料金が7000円だったとすると、１時間あたりわずか2300円の売上ってことになります。

僕は正直な話、トリミング料金って安っっ！！！って思ってしまうんですww

東京、神奈川の最低賃金は先日1000円をついに超えました(⌒-⌒; )

 

異業種で、業務的にやや似ているのは美容師さんですよね。

千歳烏山近辺の美容室だと平均して、カット料金が4000円から5000円くらいが相場だと思います。

髪のカットにかかる時間はだいたい１時間程度じゃないでしょうか？

でも僕たちはカラーやパーマもしますよね？（僕はしないですがww）

そうするとやっぱり３時間、もしくはそれ以上はかかると思いますが、トリマーとの大きな違いってなんだと思いますか？？

 

そうです。

人の場合パーマ中、カラーリング中は、飲み物を飲んだり、本を読んだりして待っていられるので、並行して他のお客様の対応をすることが可能ですが、ワンちゃん相手だとそれはまず無理です。

テーブルの上に放っておいて並行して他のワンちゃんのトリミングができない、つまりトリミングの並行作業はできないというのが大きな違いです。

仮に、そんなお店があったとしたらどうでしょう？？

大切な家族であるワンちゃんの命を預かっているにも関わらず、長時間テーブルの上で１人で放っておかれている姿を飼い主様が目にしたら、気が気じゃない、とてつもなく不安になると思います(>_<)

 

1日のご来店ワンちゃんが全員プードルだったとすると、１人で担当できるのは、だいたい３頭、頑張って４頭です。
それ以上となると1日8時間以上は確実にトリミングをしなければこなせなくなります。

と、考えると１人あたりの売上はおよそ20000円から30000円となります。

そこから材料費や水道光熱費、家賃、人件費などの諸経費が引かれていくというのが現状です。

 

 

安易な考えでトリミング業界に参入してきた異業種は、実際にトリミングサロンをオープンしてみて、全然儲からないことに気づき、お店を早々と閉めてしまうところも少なくありません。。

 

トリマーという職業。

今のトリミング業界の現状が、専門職なのに低賃金で重労働で危険な仕事と言われています。

「３K」なんて言われていたりもします。

・きつい
・汚い
・危険

それが

・臭い
・給料安い

の「５K」になっています。

 

トリミング作業は、ワンちゃんにとっては喜ぶような作業をするわけではないので、当然噛まれる危険があります。

僕も今まで噛まれた傷口からバイ菌が入って手がパンパンに腫れたり、爪が割れるくらいの本気噛みをされたこともありますww

ウンチを触ってしまったり、時には踏んでしまうこともあります。笑
（それは完全に僕の不注意によるものですがww）

１人で担当できる頭数には頭打ちが見えてしまっているため、お給料を上げることができずに低賃金で働いているトリマーさんが多いというのも事実です。

雑誌、メディアに引っ張りだこの超有名トリミングサロンの店長クラスの子でさえ、月給１８万なんて話も僕は聞いたことがあります。

 

ちなみに僕は、LiGARをオープンする前に７年間働いていたサロンでは月給185000円でした。

でも社会保険、厚生年金を会社が負担してくれていたので実質23万円くらいかな？

なのでまだ良い方だったのかもしれません。

営業時間が終わってから写真関係の仕事をしていたので、日をまたぐなんてことはよくあったので過酷な環境ではありましたけど、それが今僕の財産になっているし、トリマー以外にカメラマンとしての武器を与えてくれた前の職場にはただただ感謝しかありません！

 

ワンちゃんが好きなのはもちろん、ワンちゃんを飼っている飼い主様が好きだからこの仕事を僕は続けてこれました。

その反面トリマーを辞めてしまう人の割合は７割だと言われています。

僕の専門学校時代の同級生は３０人ほどいましたけど、現役でトリマーをしている子は僕含め２、３人程度だと思います。

 

 

僕がLiGARをオープンした当初、近隣には６店舗くらいサロンがありましたが、3年で３店舗が閉店となりました。

今は低賃金過ぎてトリマーになりたいって人が少なくなり、人手不足で悩んでいるサロンも多く、10数年前は子供の将来の夢候補のトップテン入りしてたのに、今は見る影もなく学校の進路指導でトリマーになりたいって言えば別の職業進められるというのもあると思います。
なので動物専門学校も潰れてしまっていたりします。

烏山で12年間営業を続けていて閉店してしまったサロンの２人のトリマーさんも２人同時に辞めることになり、閉店になってしまったそうです。
そこに通われていたお客様から聞いた話ではありますが、そのうちの１人は男性トリマーさんだったそうです。
独立して自分のお店を出すって選択肢だってあったはずですが、その方はもうトリマー自体をリタイヤすると言っていたそです。

 

僕はそれを聞いて悲しくなりました。

 

きっとトリマーという仕事に疲れてしまった、未来を見出せなかったんじゃないかと思います。

やっぱりお給料が低い上に過酷だったりするので、トリマーという仕事が楽しめなくなって辞めてしまう子が多いのだと思います。

一昔前は、トリミング技術のことだけを考えていればよかったトリマーという仕事。
今や時代は変わり、食に関することや、スキンケアに関すること、病気に関することなど、美容以外に学ぶべきことがたくさんあります。

同情を誘うようなことばかり書くのは嫌なのでこの辺にしておきますが、これが今のトリミング業界の現状です。

 

頭数をただただ黙々と急ぎながらこなさなければならない状況は、飼い主様とコミュニケーションを取る時間もなくなり、ご相談にも乗れない、頭数をこなすために急がなければならないので、怪我をさせてしまうリスク、事故を起こすリスクを招いてしまうだけだと思っています。

 

昨日のブログでも書きましたが、僕は飼い主様ともしっかりコミュニケーションを取らせていただき、ちょっとした不安も払拭してあげることがお客様にできる恩返しだと思っています！
世間話だってもっとしたい、様々な悩みを聞いてあげたい。
ワンちゃんとはもちろんですが、飼い主様との絆も深めていきたいというのが僕の願望でもあります。

 

最後に僕の今後考えていることだけ共有していただけると幸いです。

LiGARは来年あたりに移転をしたいなと考えています。
（もちろん今のお店の近くでです）
もう少し広いところに移って、飼い主様同士が繋がれるような場を設けたいなと。

ワンちゃんの名前は知ってるけど飼い主様の名前を知らないなんて話をよく耳にします。
いわゆるお散歩仲間ですね。

これはずっと前から思っていて、なんかそれって勿体無いなって！
ただでさえ人と人との交流が必要なくなっている時代。
飼い主さん同士がもっと仲良くなれるきっかけ作りをしたいなって思うんです。
それが何か災害などが起こった時に助けあったりもできるつながりになると思うので。

あとは、保護犬を２、３頭預かって里親探しのお手伝いもしたいんです。
ペット業界で働かせてもらっている以上、社会貢献もして少しでも不幸なワンちゃんを減らしたい、そう考えています。

って考えると移転しなきゃ無理だな、と。笑

これが僕がまずやりたい事です♪

実現できるように頑張ります！！！

Dogsalon LiGAR（ドッグサロン リガール）

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